諸星だりあ

仮面ライダーギーツ ジャマト・アウェイキングの諸星だりあのレビュー・感想・評価

4.6
初日鑑賞。
毎年恒例の、TVシリーズの後日談。

この「仮面ライダーギーツ」という作品が謳い続けてきた「誰もが幸せになれる世界」と仮面ライダーの普遍的テーマである人間、怪人の共存は可能かという題材を一年の戦いを終え成長したライダー達が光で照らす、傑作だったと思う。

坂本監督らしいアクションの映え方が活きており、テレビシリーズより断然迫力ある画を観られたのが高ポイント、未来の人間により事件が起こされるというギーツの「らしさ」と登場人物たちの個性、魅力が活かされているストーリー、隙のない造りで確かな「最終回感」があった。失礼ながら

「ギーツってこんなに面白かったっけ?」
と思ったほどである。

ギーツ、バッファの新フォームも共に格好良いし、立場上どうしても高みの見物ポジションになってしまう英寿に代わって道長がしっかり主人公していた。それに加えて景和と袮音もしっかりヒーロー的見せ場があり、中盤、タイクーンの変身には鳥肌が立った。
鳥肌ポイントは他にもいくつかあり、特にアクション面で見応えあるカットがかなり多かった。Vシネではあるが、映画館上映を意識していると思われる迫力があり、満足感が高い。

物語としては2本の筋が絡むが複雑ではなく、スッキリ観やすい構成だったのも良かった。
正直に言うと、どう考えても昨年末の冬映画より熱量が高いし「劇場版」である。基本的にニチアサ作品はクロスオーバーより単体の方が面白くなるのではなかろうか。
ギーツも一年間テレビシリーズを観たが、一番ギーツを面白いと感じる事が出来たのが良かった。近年のVシネでもピカイチの作品だったと思う。

そんな面白さの中に、現代的な風刺、メッセージもありファンが語り継いでいく価値のある一編である。
衝動的にパンフレットもゲットしてしまった。
これが映画館の楽しさなのです。
諸星だりあ

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