狭須があこ

スパイダーマン:スパイダーバースの狭須があこのレビュー・感想・評価

4.3
MCUを全く知らない人に「主人公はそれぞれの作品にいるけど、世界はつながって同じ時間のなかで進んでいて、アベンジャーズでは主人公たちが集合して…」って説明するの、結構難しいんですよね。
日本にはあんまりないから。

そんで、「あれとはまた別にマルチバースというものがあって、別世界のスパイダーマンが…」って説明するの、さらに難しくてめんどくさいんですよね
よくわかんない人は、前知識を収集して勉強するよりも、むしろいきなり見ることをオススメします。
ちゃんと、きみのアタマが理解してくれるから!

概念を理解・納得させてくる映像、スゴイ。
映像に集中するために吹替で見たほうがいいと思いますが、ニコラスケイジの声が聞きたい人だけあとから字幕で聞き直してくれ

もうコミックのページを自分でめくる時代じゃないんですねぇ。
マルチバース、要するに画風が違うクリエイターのコラボなんですよ。
とよたろうとドラゴン画廊・リー、2人のドラゴンボールがフュージョンした。みたいなモンだと思うんですけど、この国はそれを正史でやるからな

スパイダーマンに目覚めた少年がヒーローになるまでのお話、感情移入してめっちゃワクワクしながら見ていたけども、「マスクをつければ誰でもスパイダーマンになれる!」で一瞬突き放されました。

きみたちは偶然クモに咬まれてるんじゃん!!ぼくたちは咬まれてないんですよ。
じゃあ、誰でもは無理やんけ。
と思いつつも、しかし見終わって気づいたんですね。

この映画のテーマは、「運命を受け入れろ。」
なるほど。
咬まれたことから目を背けるな。
クモに噛まれればみんなクモ男としてのスパイダーマンにはなれるけど、そこからヒーローとしてのスパイダーマンの道を歩き出すのは、自分自身の勇気と選択なんだ。

あとひとつ、この世界にだけスパイダーマンが複数存在する理由がよくわかんなかったんだけど、この世界においてはピーターではなく、マイルスがピーターってことなのかなぁ。
もしくは、出てないけどほかの並行世界に居るんだろうか?
原作読めばわかるのかな。

いやァ、私はもういい年だからさぁ。
今からクモに咬まれる未来を想像してドキドキとかも、しなくもないけど、もういい年だから。
生きてきた今までが空っぽじゃないから。
「クモに咬まれる」というできごとが、自分でいうと何に当たるのか?という、自分の人生における「運命」についてを考えてしまうわ

あんな飛び回ったらたぶん腰に来るしさぁ…
恐らく私はクモに咬まれる人間ではないけども、こうやって私自身の道からは、目を背けずに生きていきたいなと思います。
狭須があこ

狭須があこ