とんちゃん

志乃ちゃんは自分の名前が言えないのとんちゃんのレビュー・感想・評価

3.8
新たなスタートを切る高校一年の二人の抱える劣等感と友情を描いた青春もの。
主演は「もみの家」の南沙良と「朝が来る」の蒔田彩珠の演技に定評がある二人。

志乃(南沙良)は母音から始まる言葉が吃(ども)ってしまう吃音症障害を持っている。
それで自分の名前が言えない。
友達は欲しいが誰も近寄らない。

加代(蒔田彩珠)は子供の頃からミュージシャンになるのが夢だった。しかし重度の音痴で中学はそれで馬鹿にされていた。独りでいるのが好きなタイプ

志乃は歌をうたっている時は吃らず、しかも歌ウマ。
加代は一緒にバンドを組もうと提案する。
「しのかよ」の誕生だ。

設定が1990年代半ばなだけ有って、
加代の部屋にはCDがニルヴァーナ、オアシス、ソニックユースにグリーンデイと90年代ロックがメイン
でも壁に飾ってあるアルバムがクリームにポスターはボブディラン。

それなのに歌うのは加藤和彦と北山修の「あの素晴しい愛をもう一度」
ミッシェルガンエレファント「世界の終わり」
ブルーハーツ「青空」
統一性ある様な無い様なラインナップ
でもこの趣向悪くない、結構好きですね。
路上ライブシーンはMVな感じでよかった。
ちなみにブルーハーツとミッシェルは原作には無く、当時学生だった頃の監督の趣味らしい、なるほど

ラスト文化祭で披露したオリジナル曲「魔法」が良かった。