アズマロルヴァケル

ビヨンド・ザ・ロウのアズマロルヴァケルのレビュー・感想・評価

ビヨンド・ザ・ロウ(2017年製作の映画)
3.1
もっと伝えてほしかったノワールアクション映画

・感想

この映画に関しては以前私が観ていたレア・セドゥ主演の『若き人妻の秘密』で
失踪した主人公の夫の恩師を演じたオリビア・グルメ主演のアクション映画ということで、今年ちょっと気になっていたのですが、良くも悪くも裏切られた感じでした。

映画自体は多分ですが、1982年から1985年に起きたマッド・キラーという犯罪組織による未解決事件を基にしたフィクション作品?とみられ、導入部分としては最初に駐車場でピロット判事ら民間人が強盗団とみられる謎の集団に殺されるシーンからはじまるのでここからどう展開されるんだろうと思って目から離せないと思っていました。

主人公のフランクがする強盗計画もどういうことをやるんだろうと思いながらも緊迫感が伝わってきたのでじっと見続けられたし、後半でフランクが強盗団の仲間の協力もかいあって脱獄するシーンに関してはまあまあハラハラさせられるところではありました。

しかし、やっていることはいいものの、
人物描写はともかく、フランクら強盗団がやっていた強盗計画の内容があまり説明されておらず、何よりも内容が薄い印象だったのでまだ台詞や映像で伝えきれていないのではないかと思った。

例えば、フランクと強盗団の一員のサントがパトカーから逃げる際にサントが釘をばら蒔いてパトカーを転覆させようとする下りはよく、ラスト手前で警察とフランクが銃撃戦を繰り広げるシーンなんかは雰囲気はいいのに、強盗団のキャラクターがフランク以外あんまり描写が薄いのであまり強盗団の一員が死んでもエピソードが少ないので悲しいという感情が芽生えなかった。

また、アクションシーンが比較的に控えめになっている代わりにこの映画のほとんどの主要人物が事実上あっさり死んでしまうので、どうしてもフランク以外の登場人物の見せ場が若干少ないように思えてならなかった。

結局はブーヴィ警視とピロット判事の上役の検事の陰謀だと言うことはなんとなく分かるのだが、頭の中で整理しないと分かりにくい感じではあった。

なので、もしかしたらオリビエ・グルメ目的でるとかなり微妙な後味になりそう。ラストはフランクが綺麗に始末するのでスカッとはするが、それでもモヤモヤ感が大分残ってしまう映画だった。