シネラー

それいけ!アンパンマン かがやけ!クルンといのちの星のシネラーのレビュー・感想・評価

4.0
"「こんな所で何やってんだ
アンパンマン! お前を倒すのは…
アンパンマンを倒すのは…俺様だ!」"
アンパンマンの30周年記念映画を初鑑賞。
"何のために生まれて生きるのか"
の問いに答えを出せるアンパンマンと
ばいきんまんを描いた作品だと思った。

物語としては、
ばいきんまんのゴミ箱から
いのちの星の輝きを持つクルンが現れ、
一方で地上には黒い星が落下する事件が起き、
アンパンマンとばいきんまんが
いのちの星の故郷である宇宙まで
冒険する内容となっている。
クルンがアンパンマン側と
ばいきんまん側の双方で生活を送り、
ばいきんまん視点でも物語が展開する分、
その我儘で意地っ張りな
ばいきんまんの魅力が詰まっていると思った。
アンパンマンに自滅で敗退する下りに
笑わせられたと思えば、
アンパンマンに助けられて顔を
分け与えられる事に葛藤するのが、
何とも可愛らしかった。
アンパンマンにこれまで倒された
ばいきんまんのメカが多く登場し、
30周年記念らしくカメオ出演の形で
懐かしい場所やキャラが登場するのも
嬉しかった。

クルンが劇中で
「何の為に生まれてきたのか?」と
尋ねていく場面があるのだが、
メロンパンナやロールパンナも
「分からない」と答える中、
その疑問に答えたのが
アンパンマンとばいきんまんだ。
生きる目的を知っている事は
幸せな事だとジャムおじさんも
劇中で語っているが、
それは生き甲斐でもあると思うところだった。
困った人を助ける為に生きる
アンパンマン、
アンパンマンをやっつける為に生きる
ばいきんまん、
生きる目的を答える事ができる両者が
最終的に皆の協力も得ながら
共闘するのは胸熱でしかなかった。

皆の為に自己犠牲も構わない
アンパンマンと我儘ながらも
一貫した努力を続けるばいきんまんが、
対立と共闘をして両者の存在を
上手く輝かせている
アンパンマン映画で良かった。
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