ベビーパウダー山崎

ヴィクトリアのベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

ヴィクトリア(2016年製作の映画)
3.0
流されたまま自分を見失っていた中年女性が困難(自傷)を克服して己を取り戻すまで。恋愛ドラマのフリをしていたりデタラメな自らを反省してとかではないので、その過程がつかみにくいが根底にあるのは、プラスでもマイナスであっても自由な生き方(可能性)の肯定。悪人の友だちを仕事として弁護はするが、その関係を最後には断ち切り、主従関係でしかなかった可愛い顔した若い男の子とも対等な恋愛関係に。自分も含めて他者との距離に責任を持つというラストは成長といえば成長。
チンパンジーやダルメシアンを物語に絡ませての変化球(全然上手く言ってないけど)、ドラッグやセックスはそれなりに積極的、面倒さも含めてひっきりなしに話し続けては突然ぶっ倒れたりもする。女性作家が描く躁鬱映画とも言える。