emily

夏が終わる前にのemilyのレビュー・感想・評価

夏が終わる前に(2017年製作の映画)
3.5
 パリでの学校生活を終え、イランに帰国することをきめたアラーシュ。友人二人は彼の気持ちが変わるのを期待しながら、三人はフランス最後の旅に出る・・

 アラーシュの肥満体ボディを活用した構図がユニークで悪意が感じられながらも、次第にその心地良さに惹きこまれていく。色彩も豊かで、夏の太陽の下さらに煌びやかに輝き、ひと夏の思い出を彩る。壮大な自然と開放的なボディ、それぞれの性格がしっかり会話の中で見えてきて、イランの音楽が絶妙に寄り添う。フランスに居ながら全くフランスを感じさせない。外国に行ったからとて人は変われる訳ではない。それはあくまできっかけでしかないのだ。そう国が変わっても、国境を越えても私自身が変わる訳ではない。しかし人は変わりたいと思った時、異国の地に行けば、そのきっかけをつかみ、物にできるかもしれない。しかしそれが出来ない人もいる。フランスにいてもイラン人で、外国人である事は変わりないし、その境界線を越えるのは自分自身である。
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