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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのiandishotのレビュー・感想・評価

3.4
映画評などでは絶賛ばかりなので、少数意見なのでしょうが、どうしてもタランティーノの映画は後味の悪さが・・・。
映画や音楽などサブカルチャーに対する惜しみ無い愛情はわかるけど、同じ映画の中に映っていても、共感しない対象に対するぞんざいな扱い、ヒッピーの描き方とか、そういうのが気になってしまう。
実際にあのスパーン映画牧場に住んでいたスネーク(事件には無関係で何も知らなかったらしい)も、この映画を見て、あの家の描かれ方には違和感があったよう。
でも、タランティーノってヒッピー映画の聖典とも言えるイージーライダーをフェイバリットにあげてるんですよね・・・。
愛しているはずのブルース・リーの描き方も、遺族から反発があったようですが、やっぱり映画が好きなんであって、ブルース・リー本人を崇拝しているわけではないんでしょうね。

とはいえ、主演二人は文句なくかっこいいし、ディカプリオの映画内映画の西部劇なんて最高の演技。映像も音楽もいつも通りイカしてるので、映画として見る価値は大いにあると思いますが。

鑑賞後、なんとなく、芥川龍之介の警句「喜劇とは畢竟第三者の同情を通過しない悲劇である。」が浮かびました。
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