「寿命をまっとうする義務があるとは思わない」と言い切って、何度も聞き直す彼女に、即座にNoと言い切るのは、見方によっては、ものすごくエゴイスティックな生き方だけど、だからこそ見られる世界、途方も無い自然と自分の体以外、何物も介在しない孤独な世界には、憧れを覚える。
地上に残った友人や恋人のエモーショナルな反応に共感するだけに、その対比としてスクリーンに映る、真っ青な空と絶壁とひとりきりのクライマーの世界が美しすぎる。
ヒーローとはちょっと違うと思うし、それでもやっぱり寿命を全うしてほしいとも思ってしまうけど、あの映像見たら何も言えない。高く高く届かない世界。
