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カーマイン・ストリート・ギターのiandishotのレビュー・感想・評価

4.0
美しい工芸品としてのカスタムギターの制作風景を目で楽しみつつ、ふらっと立ち寄った風情のトップギタリスト達の極上のギター演奏の数々に体を包まれる。
そしてもうジャームッシュ映画そのものという感じのNYのダウンタウン文化とそれを体現する人たち。お店の三人も、お客さんも、そしてこの映画に関わってる人達もそうだろう。
マークリボーの言ってたこと。「音楽には光と影がある。表に現れる演奏は光。でもその影には楽器を作る人や聞く場所を用意する人などがいて、みんな音楽の一部だ」というのが、この映画にも言える。ギターの映画であり、音楽の映画であり、ニューヨークの文化と人の映画でもある。
この幸せな映画の中に紛れ込んだような、たった一人浮いた存在のエリートビジネスマン然とした不動産屋が、今この映画が撮られた理由をほのめかしているのだろう。
この店がある(still be here)限り、そしてそれを支持する人がいる限り、この映画はノスタルジーじゃない。
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