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デッド・ドント・ダイのiandishotのレビュー・感想・評価

デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)
4.0
カメラの側にジャームッシュがいて、楽しんで撮ってるのが画面から伝わってくる優しくて楽しいゾンビ映画。
現実として考えれば、相当グロテスクな現代社会を、ゾンビの出現する田舎町の出来事として、奇妙な理屈とリアクションの連鎖で象徴的に描いていく。
田舎町のダイナーやモーテルがジャームッシュの好きそうな(ジャームッシュの映画が好きなら皆が好きな)お馴染みの質感とディテールで見てるだけで楽しい。
クビを切られるゾンビの皆さん、イギーポップとか絶対超楽しんでるし。
それでも、ただの悪ノリとか悪ふざけには陥らない倫理と抑制が保たれていて、インディペンデントな知性とプロフェッショナリズムに支えられているところは、アダム・ドライバー、ティルダ・スウィントン、ビル・マーレイなどの出演者にも共通するところか。珍しくメッセージがストレートに出ているのも問題のシリアスさがもはや世界の隅々の日常にまで入ってきているからでしょう。
反復の面白さも随所にあるけど、特にカントリーの「デッド・ドント・ダイ」が良い曲で、テーマ曲として完璧。CD欲しいけどやっぱりサブスクで聴こうかな。
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