どーもキューブ

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのどーもキューブのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

タランティーノの昔、昔、。69年のハリウッドにとある俳優がいましたとさ、、、


(注意・長めレビュー)

コロンビア提供(このコロンビアの女神の着物が紫に見えたけど、昔はあんなのだったかしら、、、とか疑問、)
脚本監督クェンティンタランティーノ。



ビデオ屋の店員から脚本執筆。俳優、ライター、リライトしながら映画監督まで上り詰めたアメリカの映画ギーグ番長クェンティンタランティーノ。

処女作、犬が犬を食うギャング映画「レザボアドッグス」で飛び出し、夕張映画祭で日本に来たタランティーノ(ビデオ鑑賞)

次作代表作となるカンヌ映画祭パルムドール獲得「パルプフィクション」で一躍才能爆発。ポスター、Tシャツは今なお愛される作品となる(劇場鑑賞)

期待値高まり3作目、犯罪小説とブラックスプローテーションを合体させ黒人女優パムグリアを主役にしネオスプローテーションに見せかけタランティーノフィルム史上1番スマート、タイトな作品となった「ジャッキーブラウン」(ビデオ鑑賞)

タランティーノの恐ろしいほどの香港映画、日本映画の愛情から出来たといっても過言ではない。2部作となった私にとっての最高傑作、ただビルをやるだけ!「キル・ビル」(劇場鑑賞)

今度は方向転換とばかりにB級ホラーに敬意をこめて、朋友ロバートロドリゲスとともに新作ホラーを作り、前代未聞のプログラム上映をしたカーホラー。今なおこちらも根強いファンがいる「グラインドハウス」「デスプルーフ」(劇場鑑賞)

次はイタリア、マカロニ戦争もの「地獄のバスターズ」リメイクから引き延ばされたナチもの「イングロリアスバスターズ」(劇場鑑賞)

タランティーノのズバリ「ジャンゴ」それはまるでブラックスプローテーション奴隷西部劇(劇場鑑賞)

音楽に念願のエンニオモリコーネを起用し肉弾雪景色掘っ立て小屋。ネオレザボアドッグスのような西部劇「ヘイトフルエイト」(劇場鑑賞)

次作はなんと!「シャロンテイト事件」事実を映画化するという噂。
蓋をあけると「イングロ」のブラッドピッドと「ジャンゴ」のレオナルドディカプリオの共演。

あとは一切情報遮断して見に行きたい。本当に楽しみなやつは、事前情報絶対みないきかない知りたくない主義の自分。

初日初回上映、もぎりの方から特製シートを頂き沢山のタラちゃんファンと鑑賞してきました。



いやあまずね。まずこれ、シネコンでかかる映画内容じゃないよなあ。こんな西部劇がどうの、
パイロット版にでるよどうの、
テレビの紹介番組がどうの、
あびるほどの60、70年代のサウンドトラック、
前フリ長めの足下、歩行を捕らえる長廻し
ためをきかす車走行
これえ映画の映画に興味ないと1ミリも面白く無いだろうなあ。という点でえ、シネコンでデカプ、ブラピ目当ての女性はポカーンとするんじゃないのかなと。だからシネヴィヴィアン六本木とかユーロスペースとかでやる単館上映映画にみえた。

そしてそれにもましての「69年あたしのハリウッド」を描く。それもまた狭い範囲のお話しをネチネチと。やるのがデカプーとブラピだからいいもののみたいな物語。

これは、69年、映画好き、アメリカのテレビ番組、ハリウッドバビロンとかアンテナにかからないと1ミリも面白くないのかなあ~。女性で面白いという人いるのかしらって見ていて逆不安に駆られる。

はじめのあのアルパチーノがごにょごにょ巨体で喋るのを見て興奮出来るかいなかだと思います。あの「ゴッドファーザー」の「スカーフェイス」のアルパチーノが、、、まるで「ディックトレイシー」に出演した時の姿に似ている姿でデカプと喋る、それを興奮するか、出来るか、いなかの昔話だ。


いやあ率直に面白かったなあ。そう俳優の映画でもある。
俳優が間違えたり、
どうやって食ってこうかなあという映画。

あれ!なんか見たことある既視感と思っていたら横浜監督の「俳優亀岡拓司」だった(全然内容、伝達仕方違うけど、。)

事前予想は、ラスメイヤーの「ワイルドパーティー」系かなあと思ったが、あながちあっていたといえばそうなんかも。

実は見た後結構レビューを寝かしたのだが、明快に理由があった。

それは間違いなく「69年」を知らないことだ。本作で描写している風景、時代、風俗、ヒッピー、マンソン、シャロンテート事件、テレビ番組だ。そこの欠落した穴をある程度埋めたかった。

サントラ購入、聴きこみ
レビュー、ツイートを読み
「映画秘宝」を読み、今に至る心境をレビューしたかった。少しでも知らない抜け落ちた時代感覚を埋めてから書きたいと思った。

まず、1番わからなかった「シャロンテート」の描写だった。いやわかるのだ、シャロンテートが自分の映画を足裏ベロンと挙げて、クスッと笑うとか。踊り狂うとか、ラストのこめられた意味も見てはわかるが。

ラストなんかはよ~く考えてわかってきたのだった。
シャロンテートを描写したタランティーノの思いも噛み締めた。無残虐殺の事実ではないラストのらしからぬハッピーエンドにタランティーノらしさなんて微塵もないほんわかしたはじめての心地。
これに共鳴された方々が多数いたのをレビューを読んで納得した。

「テス」を予約する妻だったという事に。なんなら普通の女優さんのプライベート空間をなぞっただけの映像に見えて、へたするとスルーして忘れそうなエピソードに私にはなっていた、欠落した女優感だった。

それより女性として立ち上がるあの牧場の徒党を組む女性達のなんとも野性味あふれるアブノーマルさと猜疑心の集団感覚。そしてブルースダーンの落ち的老輩描写のノットコミュニケーションのあの断絶感。あれだけ行くのに緊張は走らせて落ち「しらないよあんた」感の落ちの素晴らしいタランティーノ感覚。これですよね今のタランティーノ感覚って前フリふりにフリフリしていいとこで割に水ぶっかける的な連続不連続映画にみえる、俺には。

デカプーにはひたすら情けない自嘲嘲笑、自己憐憫たるクッソー話から、妖精のような子役とのあのエピソードにセックス以上の何かしらの邂逅、会話の癒しみたいな瞬間が訪れるとか。

実は全てがブラピの完璧自制たる我慢たるスタント魂がペットに表れていたなんて誰が予想予測出来よう。
あのラストの恐ろしい大爆発大爆笑(ひとりで大笑いしていた。完全に「デスプルーフ」のかかと落としラストと同属やあと思い。しつこいゴア描写に大満足していたこの痛快な気持ち、これってタランティーノ感覚、タラちゃんな気持ちじゃね?という事を思い出していた。)

タランティーノ感覚、暴力シーンまでのため、静けさ、緊張だ。これを楽しめるのかどうかということ。

私タランティーノの近年の中では1番よかった。お好み作品になった。だって映画の映画話だし、大好きなネタなんでニヤニヤしながらみていました。電波たてまくりで画面のダブルミーニングポスターやらハリウッドの雰囲気やらを楽しんで凝視していた。

映画ポスターは「トラトラトラ」「大脱走「ジョアンナ」「サイレンサー」(コロンビアビデオであったなあ~しかわからず。ディーンマーティンの007系?ぐらいしかわからず。)
今回は映画もそうだがタランティーノが好きなテレビ番組がかなりフューチャーされていた。そのメモリアル的な感傷感覚は見ていてわかったが、本質的には穴ぼこのようにわからなかった。

さながら本作は、タランティーノが描く。
むかあしむかあし
ハリウッドという所に
売れない俳優ダルトンと
彼を支えるリックがいたそうなあ。
時は1969年アメリカのハリウッドだそうなあ。
さあどうなることやら。
みたいな話だ(「日本むかし話」風)

売れない俳優デカプリオがくだを巻き、あーでもないこーでもないという話。
そこにデカプリオのアクションスタントをこなすブラッドピッドがハリウッドを生き抜く69年頃の小話。

映画の映画話なんで、ハリウッドやら俳優やらテレビ作品やらシャロンテイトやら興味ないと全くチンプンカンプンじゃないかと。

69年の文化背景が色濃く出てくる。
ネタバレしないよう書きたいのだが、
アメリカの今回はテレビがかなりのフューチャーされていてタランティーノが子供の頃に見ていた西部劇やら戦争活劇がネタ元。

タランティーノは、確か10代の頃俳優をやってた時があってエルヴィスプレスリーの物真似的な役がらでテレビ作品に出演してたような気がする。そんなのもあるし、子供の頃あびるように見ていた西部劇のテレビ作品が元ネタだと思う。
勿論私でも知ってる「コンバット」も劇中ポスター映り込んでいた。

デカプリオ扮する俳優リックダルトンとダブルスタントをこなすブラピ。 
中盤はこの謎のブラピが引っ張る。そこにシャロンテイトのお話やらブルースリーのお話が絡みつく感じ。

ブルースリーの態度や喋りはあんな感じだったと思う。そっくりだった。だが、あんなに簡単にやられはしないとは思いつつも笑ったのは確かだ。

ブルースリーも間違いなくあのほげなげられたようにハリウッドに冷遇されたのは間違いない。だからこそのあの描写とも受け止れる。

それにより香港に戻り71年「ドラゴン危機一発」が生まれた。
ブルースリーの顔が似てねーと劇場で静かに絶叫していた。

ホセフェリシアーノの「カリフォルニアドリーム」が流れ看板だらけのハリウッドの灯がともる。それを楽しめ、る、のかむかしむかしばなしなのだ。

途中出ていたのもわからないダコタ・ファニング、デカプー妻が友人イーライロスの奧さんやら、いきなり先輩役でカートラッセルやらじゃがれ声のマイケルマドセンやら、ゾーイベルやらいきなり放り込まれる。

タランティーノも69年を再現するため脚本化にもセットやらサウンドも時間がかかったと。

今回の「ワンスアポンアタイムインハリウッド」サウンドトラックよく出来てます。ラストのバットマンもラジオCM風で短く、もっと、ちゃんと聴きたいよ!と思わせて終わらせるサントララスト。



さて
タランティーノが描く1969年ハリウッドでは、こんな話があったとさ。

みなさんはどう御覧になりましたか?

私は近年にないタランティーノ新感覚に見終えたあと考えて、味をかみ直した本作でした。

その味わいはれっどアップルのタバコのように味わったことない味だった。

追伸
いやあ、ようやく書けた。じつはもう一度行っても良いが結構覚えてるという印象の今回。

あとナニゲに何気にブラッド・ピットとレオナルドデカプリオががっつり台詞をからませて共演してるだけでオールオッケーとも思ったりもする。

ブラッド・ピットが良いというのも皆様レビューから感じる。「ファイトクラブ」のタイラー級の良さがあった。脱いだというのもあるのかしら?!

追伸
先日みたジョンウォーズの「マルチプルマニアックス」でシャロンテートが殺されたよ!わあおという描写が出てたんだけど、カルチャーショック現象だったんですねえ。

追記
来期「映画秘宝」ベストワン候補認定予想。
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