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グッバイ、リチャード!のtakechiのレビュー・感想・評価

グッバイ、リチャード!(2018年製作の映画)
1.9
人それぞれに死に方にも理想があるだろう。
僕の父は脳梗塞である日突然逝ってしまった。
「苦しまないで逝けたんだから、本人は幸せよ」
なんて慰め半分で言う人もいるけど・・・。
果たしてどうだったのか・・・。
僕は昔はガンで死ぬのは嫌だと思っていた。
もしそうだとしても告知はしないでもらいたいと思っていた。
日に日に弱っていくのを実感しながら余命の日までをカウントダウンする
死に方など耐えられない・・と。
しかし最近は、ガンで死ぬのは意外にいいかもしれないと思う。
脳や心臓の病気で急死するのと比較しての話ですよ。
あるいは90過ぎまで生きてよぼよぼになって、呆けて看護されて・・
とかよりは。まあ死に方は選べないけど、もしも選べるなら
60代~70代ぐらいでガンというのはなかなかベストかもしれない。
半年でも3か月でも、執行猶予があるわけだから、
その間に終活・・死に方をある程度演出できるわけですから。
さて本作は、そんな死に方の一つの理想を描いているのかな。
いかにもジョニー・デップ的なとぼけた奇行をくりかえし
周囲にまき散らす悲しさは排除して・・・。
最後は一人でどこかにいなくなる・・。
って、猫かよ!(野生の猫は死期を悟るとどこかにいなくなるという)
しかし、学生たちには結局示唆に富んだ訓示を述べたり、
家族や娘や友人に別れの挨拶したり。
ちょっとセンチメンタルすぎじゃないかい?
ちなみに僕の理想の死に方は、告知を受けてからも、特別な事はしない。
普段どおりの生活をつづけ、普段どうりに過ごし、
なにも語らず、最後に周囲の人にちょっとだけ感謝して逝けたら最高かな。
あくまで理想の話ですよ。
むしろこの作品のセンチメンタルさが
現実的なのかもしれませんがね。
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