映画は、知らない世界や、違う世界を見せてくれる。その意味でいい映画だった。
実話が元だというと、ハリウッドでは深刻な事件が絡んだ犯罪ものが多いのだが、これは違った。
なんだかほのぼのする交流で、嬉しい実話だ。
ソ連が崩壊し、取り残された宇宙ステーション「ミール」の宇宙飛行士と、社会主義国として世界から取り残されたキューバの「マルクス主義」哲学者の交流を描いている。
もう、その事実だけで興味深い。
停電が頻繁に起こるという実情や、牛乳(食料)を買うために宝石を売ったなどや、政府当局の堅さなど、自国に不都合にも思えるネタを登場させているところも自由だ。コメディであるせいだけでもないだろう。
モールス信号でも、聞き取りにくい音声でも、コミュニケーションは取れるし、無線には国境はない。
ゆったりしたテンポも含め、好きだなあ。
アクションてんこ盛りや、爆発三昧とは異なる、いい映画を見せてもらった。
追記:ソ連の崩壊は筑紫哲也の『ニュース23』生中継で見た。モスクワの市庁舎がソ連軍の戦車に砲撃されているライブ映像だ。
軍隊とは、自国の政府にも攻撃するものなのだということを、目の当たりにした。