【在日韓国人一家の心の叫び】
昭和44年の日本。在日韓国人が営む焼肉屋で、切なくも可笑しいドラマが繰り広げられていきます。
ともすれば、右側からタックルが飛んできそうな内容です。しかし、作り手は最低限の客観性を加えた上で、あくまで個人の叫びとして描いていますので、そこはよかったと思います。
しかしながら、いちいち演出がくどいのが気になりました。泣かせよう、笑わせようという意識が強すぎるのでしょう。
中でも、ナレーションにあのキャラクターを使ったのは、あざとすぎると感じました。なぜあざといのかは、ネタバレなしでは書けませんが、反則だと思います。観た方のご意見を伺いたいところ。
予告編から期待していた物とは、かなり違う作品でした。舞台劇を観る感覚で、一家の掛け合いを楽しむといいでしょう。
※脇役ですが、宇野祥平さんがよかったです。最低限の客観性を担保する役割を担いつつ、ぶつけるところのない哀しみに満ちた物語に、癒しを与えていたと思います。いい俳優です。