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マローボーン家の掟のeigayarowのレビュー・感想・評価

マローボーン家の掟(2017年製作の映画)
2.0
なかなかネタバレなしで語るのが難しい映画。終盤にけっこう大きな仕掛けが待ち構えている内容でそれまではまあまあ我慢が必要。ぶっちゃけサスペンス的な所で話がなかなか動いていかない。いつになったら怖いものが出て来るんだよって。
そこまでの引っ張りは正直言って弱いかもしれないけど、ちゃんとサスペンス的なオチはちゃんとあるので安心はする。それに対して好みはあるかと思うけど、自分としては「この手」を使って来たな、と思った。好きな「手」ではあるけど、それまでの演出がわかりやすい感じなので、途中で薄々読めたというのが正直なところ。

屋敷もののホラーとか、あと家族のドロドロした崩壊ものとか、そういうのを期待して見ちゃう人もいると思うんだけど、そのどっちにも転がっていかない面白さというか不思議さというのはありつつ、最後にはいろいろ腑に落ちる。

この雰囲気なら、お化けとか、殺人鬼みたいなのが出て来るんだろうなって思ったらそうでもない。冒頭で、窓にゴーンと穴が開いて、銃で撃たれていたじゃない。あそこら辺で殺人鬼が出て来たのかな、って思ったらそれがまた違って、それでまた「あれ?」って思ったりね。もっとあからさまな事件とか、ハプニングが起こるとか、そういうポイントを繋ぐものが弱かったかな。

メインになるきょうだい4人のドラマがちょっと地味だったか。途中、家の内外にアライグマが出て来るじゃん。あれが可愛くてほっこりするくらい。(笑)
基本的にこの4人きょうだいは厳しい環境の中でも仲良く、結束力あって進んでいる話で、その関係性の描き方は見応えあった。

映像的には、かなり「自然光」で撮っていたというのが特徴で、画面がやたら陰影の強い印象。近年のインディーズ系作品はこういう自然光撮影が多いんだけど、個人的には見づらい部分が出てくるこの感じは苦手で、ちゃんと人の顔には光が当たっててほしいと思うほう。その映像面も引っかかった。
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