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ブラック・クランズマンのeigayarowのレビュー・感想・評価

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
4.0
たいへんな力作で面白かったというのを前提にするんだけども。
米国における人種差別問題を非常に色濃く描いており、さらにオスカー繋がり、かつコメディというのもあり、どうしても今年見たばかりの『グリーンブック』を連想してしまう。となると、『ブラック・クランズマン』で描く人種差別って、あまりに直接的で、作り手の怒りが滲み出るような描き方をしていて、ちょっと押しつけがましく感じる。主張が過ぎるというか。特にラストのある映像の付けたしぶりなんか、言ってみれば「野暮」。
『グリーンブック』って、2人旅行の道中のエピソードの中に人種差別を巧みに入れ込んでくる形なので、とてもスマート。人種差別の扱いが「粋」。オスカー受賞の差って、この「野暮」か「粋」かの差がとてもデカかったんじゃないかと思った。

2人1役での潜入捜査部分のコメディ要素とサスペンス要素、そして社会派メッセージ要素と盛り込み過ぎだったのかなと。惜しい作品。
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