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グリーンブックのeigayarowのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
5.0
埼玉を震源にムーブメントになった『翔んで埼玉』もいいけど、コメディといえばファレリー兄弟、その兄貴のピーター・ファレリーがいつもの毒っけをちょっと薄めて男2人のロードムービーを撮ったら見事にオスカーの作品賞を受賞!  権威主義でもなんでもないが、近年のアカデミー賞受賞作でこんなに感動した作品はない。

『グリーンブック』は最初は対立していた2人の友情がやがて深まっていく定石通りの展開だけど、それがわかっていても正面突破の破壊力がすごい、傑作としかいいようのない作品。完成度がとにかく高く、もはやバディ映画の教科書みたいな印象。
「人種差別」という深刻な社会派目線をしっかりギャグに包み込んで笑わせながら、多様性を認めることの重要性を自然に、幅広い観客に納得させる、恐ろしくレベルの高い脚本。監督の演出のバランス感覚も絶妙。

伏線の入れ込み具合も巧み。これには参りました。正直2カ所で泣いた。この傑作を白人目線だなんだっていう批判をする人もいるらしいが、そういう目線も含めて今年の映画を語るのにこれははずせない。

そういえばこれ、「差別ネタ」という部分で『翔んで埼玉』と共通しているなとふと気付いた。今って、そういうテーマが刺さる時代なんでしょうかね。
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