90歳という老人になって犯罪に手を染め、晩節を汚してしまった主人公のダメぶりを味わうダメ男映画として見るのが味わい深い。
ただ、犯罪映画として見るとドライブ部分がけっこう呑気でスリルに乏しいし、さらに家族に散々迷惑かけてきたことを反省する贖罪テーマが重くあり、ドラマ面が強すぎるのが気になる。
正直、自由気ままに生きてきた人間があんまり反省してほしくなく、ボンクラを貫いてほしかったところは残念ではあるけど、携帯などを拒絶してアナログにこだわったりする様々なエピソードの演出はイーストウッドらしく絶妙だし、見応えはしっかり。