shibamike

西部魂のshibamikeのネタバレレビュー・内容・結末

西部魂(1941年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

「やっぱりピッチャーは東尾か稲尾か
工藤か松坂あたりじゃない?…バッター?んー、秋山、清原、カブレラ、松井(稼)とか…え?西部魂?西武ライオンズの話じゃないの?お呼びじゃない?こりゃまた失礼しました!」


1860年とかのアメリカ西部開拓時代。
ウエスタンユニオンという電信会社が西部一帯に電信柱を新設して、アメリカにテレグラムの文明をもたらすためのプロジェクトを遂行しようとするのであるが、何やかんやと邪魔が入る映画。

話の中で「"オーケー"は電信用に考えられた言葉だ」みたいな台詞があった。本当なのだろうか。

プロジェクトの作業員はガタイの良いおっさんばかりであるが、ハーバード大卒の金持ちボンボンが社会勉強の一環でプロジェクトに参加する。「こいつが色々足、引っ張るのだろうな」と思っていたが、全然そんなことなく、むしろ頭も良いし、度胸もあるし、荒馬も乗れるし、鉄砲も上手いリアル出来杉君。気に入らね。

電信網プロジェクトを邪魔する敵としてアメリカ南部の白人数人が登場する。北部の会社であるウエスタンユニオンが順調にプロジェクトを進めるのが、とにかく許せないらしく、あーだこーだ邪魔をする。こいつらが卑怯なのは、妨害を"先住民の仕業"にしてしまうところ。
同じアメリカ人が大事業の妨害するわけないだろ?と言いつつ、自分達が先住民に変装して牛を盗んだりする。悪い!非常に悪いしズルい。

アメリカの歴史に詳しくもなく、興味もさほど無い自分でもアメリカにおける先住民迫害の歴史がいかに残虐なものであったかは少し知っている。しかし、この映画でもやっぱり先住民は悪く描かれており、感電のシーンでは馬鹿にしている風ですらある。先住民達の集団を見て、主人公達が「悪魔のようだな」と呟くのが、なんか皮肉。

コックの人がユーモア担当なのだが、ディズニーアニメーションから抜け出て来たような、非常に味のある役者で観ていて気持ち良かった。

主人公のショーがウエスタンユニオンと敵一味の間で板挟みになってヤキモキするという構図なのだが、全然感情移入できず、観ていても、ふーんという感じだった。

現代だと電柱を建てるとか電気工事をするとなると安全帯とか感電注意とか注意に注意を払って作業しているはずだが、この当時は荒くれもの達が大らかに作業に取り組んでおり、それはそれで観ていて微笑ましい。ご安全に!

終盤にキャンプ場が敵の放火により炎に包まれるが、迫力が結構あって見応えある。

西部劇らしく最後は銃撃戦。バンバンバンバン発砲音が炸裂するのに紛れて自分も一発ぷぅと申し訳程度に放屁しておいた。


田淵って西武?
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