西部魂の作品情報・感想・評価

「西部魂」に投稿された感想・評価

のん

のんの感想・評価

2.5

このレビューはネタバレを含みます


最後、ヴァンス(ランドルフ・スコット)の墓に記された“1861年”は、ウェスタンユニオン社が初めて大陸を横断する電信線を敷設した年であり、南北戦争の始まった年であるのね。後から気になって調べたら、舞台となるオマハはそもそもが様々なネイティブ・アメリカンの部族が住む地域であったことと、北軍の西の端だったということがわかりました。

映画は、ウェスタンユニオン社がアメリカの変革期に“遠く離れた各地を電柱と電線のネットワークで結んだ”そのひと役をかった、その背景には色々あったよという話。
電信の社史を西部劇に重ねたような感じで、さほど面白くないけどアメリカの歴史を感じられて良い。


ついでに。
ウェスタンユニオン社の電信サービスは、2006年に正式に終了したとのこと。
masayaan

masayaanの感想・評価

4.0
フリッツ・ラング、西部劇の二作目。別にアメリカの国体精神など興味のかけらも無かろうに、どことなく「作らされてる感」がすごいが、それをきちっと水準以上の佳作に仕上げてくる手腕はさすが。日本語のウィキもなく、国内外含めて現存の批評もあまりないようで寂しい限りですが、戦後のポスト西部劇『無頼の谷』に比べると普通のエンタメとしてそこそこ楽しめる。

心優しいアウトローと、堅気の男(実在する電信会社「ウェスタン・ユニオン」の技師長という設定)との出会い、という物語は、この後の西部劇で何度か反復されているテーマであり、また、心優しいアウトローと、根っからの悪であるその兄との確執、という物語も、その後の西部劇で何度か反復されているテーマである。また、心優しいアウトローは、技師長の妹を奪い合う資産家の息子と恋敵となり、一人で三つの主題を背負うことになる。

心優しいアウトロー、勤勉な労働者、気取り屋の資産家、そうした登場人物たちの設定を眺めていると、まあ、これもまた前世紀で「終わった」西部劇だと思われるのだが、『真昼の決闘』あたりよりは素直にその決闘シーンを受け入れることができたし、馬の疾走に対するカメラの眼差しが美しく、そこは満足できた。