アズマロルヴァケル

ブラッディ・リベンジのアズマロルヴァケルのレビュー・感想・評価

ブラッディ・リベンジ(2017年製作の映画)
3.4
意外性はあったレイプリベンジ映画

・あらすじ
バルボア大学の大学院で美術を専攻しているノエル。寮では他コースの友人スカイと同居していた一方で講評会では自分の絵が評価されずにいた。そんななか、ノエルが気になっていた同級生のルークからパーティーに誘われることになった。

その夜、ノエルはパーティールークといい感じになり、部屋でふたりっきりになったのだが、ルークはノエルに強姦。ノエルはパーティーをあとにしたのだったがその傷は深かった。翌日、ルークに呼び出されたのでノエルはルークのいる寮に行って会いに行った。ノエルは昨夜の件で謝罪するよう求めたがルークは事実を認めない。それでもノエルは認めるよう求めたが、ノエルはルークを二階から突き落として殺してしまう。

翌日、パソコンでニュースサイトを観ていると関連記事に同大学のリンジーという学生が強姦事件について告訴したという記事を見つける。同じようなレイプ犯が学内にいたと知ったノエルはリンジーの強姦事件を調査したところで、ノエルは実行犯であるアメフト選手3人を殺そうとするのであった。

・感想

意外と面白く、意外性のあるラストを含めるとまあまあだが良作ではある復讐映画ではありました。しかし、所々描写はもうちょい描いてくれたら良かったのになぁと思ってしまった。

まず、映画全体は韓国映画「母なき復讐」や「名もなき復讐」のようなテイストを含みつつも美術大学の高学年の女子大生が性被害にあったことを機に価値観が変わっていくといったいわゆるシンデレラストーリー、またはサクセスストーリーといった模様でした。

なので、ノエルはレイプ犯を殺さないと赦さないという魂胆はある一方で同級生のシェーンと肉体関係になるかと思えばシェーンが下半身に手を入れるとついあの日のトラウマをぶり返してしまうシーンがあり、実質ノエルは成長しつつもレイプされたことは忘れられないのかなぁと。

復讐シーンに関しては結構いい線までいってるが、アメフト選手のメイソンを毒物で殺すところは変装してショートパンツとタンクトップでセクシーに始末したのだが、ジェレマイアとコナーを始末する辺りであっさり始末しちゃった印象がある。特にコナーを殺すシーンはもっと身体を傷だらけにしても良かったと思うけど、あくまでもノエルが復讐代行をしてる感じなので致し方がない。

それで最大の突っ込みどころはケネディ刑事の髭が急に生えるという点である。ケネディ刑事は最初にルークが転落死したあとにノエルに聴取する過程ではツルツルなのにも関わらず、メイソンが殺されて事件現場に行くシーンではもう口の周りが見事にフッサフサ。どういう撮影の仕方でそうなったのかは分からないが、スタッフがわざとそうしたのか。もうそうならば本国アメリカ人もビックリしたはず。

前半から中盤まではノエルが復讐代行をして自分を変えていく様を描いているものの、後半はスカイとノエルの関係性に移り変わっていくのでドラマ描写が濃くなっている。しかしスカイとノエルの関係性を描くのは構わないしむしろメインのはずだが、ノエルとスカイがどう知り合ったのか、どう関係が深いのかはイマイチ描写は薄い。同級生のシェーンも映画としては要ると思うけど登場人物としては影が薄く、シェーンがノエルの犯行を知った方が物語としては一捻りできそうではあった。

ラストは修了式のスピーチのシーンで終わるが、ノエルが復讐代行で始末するはずのカルヴィンを殺してでも良かったけど、ノエルが人間的に成長するにはこのラストが良くも悪くも良かったのだろう。