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美人が婚活してみたらのsomaddesignのレビュー・感想・評価

美人が婚活してみたら(2018年製作の映画)
3.0
いまいち面白さが分からず
旬の演者さんたちの共演は豪華

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30代の美人デザイナー・タカコは、ある大きな恋を終えた途端に燃え尽き症候群に陥ってしまう。親友の漫画家ケイコに後押しされて自分を変えるべく一念発起した勢いで婚活サイトに登録。やがて知り合った2人の男性の間で揺れ動くが、結婚そのものが目的となっているタカコに、ケイコは不安を募らせていく。

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客席の9割が劇中主人公と同世代の女性。オッサン一人で見るには、も凄い場違い感。クチコミに違わぬ大ヒットぶり。

原作未読。とはいえ、映画を見た限りだと、原作と比べてどうこうって作品じゃないと思う。婚活アルアルってより、既婚未婚関わらず現代日本で女性が直面してる生きづらさ(同調圧力)を描こうとしたような。女性が性によらず、ただ人として自由に生きることが未だにこんなに困難かと、改めて開示するあたり共感の輪が広がってるのかも。


愚痴っぽい話だし、婚期を逃したオジサンを過剰に下げた描き方はしてるものの、ちゃんと最終的に伏線として回収されたからまあいいか。全部ちゃんと主人公自身にしっぺ返しされるし。
どうでもいいことだけど、「ブス」と「美人」て言い方が裏表なだけで、他人を美醜で価値づけて勝手に幸不幸を決めつけるって同じことに見えてどちらにしろ不快だ。タイトルからして好きじゃない。


タカコ演じた黒川芽以の大人の影ある、厄介さが匂い立つような美人ぷりが良かった。「勝手に震えてろ」の良香ほどこじれがない分、何事にも執着が薄くてとてもウジウジ婚活ごときで悩んだり、仕事に影響あるような人に見えない。分かりやすさを優先させてるとはいえ、一喜一憂揺らめく姿が記号的に見えてしまった。

親友ケイコこと臼田あさみの生活に疲れてるゲッソリ感素晴らしかった。けど彼女もまたマンガかコントのキャラクター以上の深みを感じられなくて、悩まされてるハズの圧力が愚痴レベルに思えてしまった。ホントはもっと根深いものなんだろうけど。

田中圭のイケメン歯科医。歯医者さんってツラはさておき、親子二代で開業して二代目がだいたいチャラいイメージ(偏見)。衒いなくヤリチンぶりを発揮してて、いっそ清々しくて良かった。

逆に中村倫也は今作イチのアイドルで、出てくるたびに画面が華やぐ。さすが旬の人。いつも以上にノビノビ非モテを演じてて好感持てる。むしろ自由すぎて主題がブレるっちゅーか、緊迫したシーンなのか笑っていいのか困惑しちゃう。主役以上に魅力溢れすぎ😆


分かりやすい決着や解決も成就もない分、共感の物語に着地するのが予定調和的でもあり、生きづらさを乗り終える光明なのかも。
シソンヌ・じろうの脚本は軽快だし、短い時間に過不足なくエッセンスを詰め込んだ素晴らしいストーリーだったけど、「勝手に震えてろ」で大九監督・脚本のパワーを知ってしまった身としては、多少いびつでも、あのパワフルさで描いた作品を見てみたかった感じ。



35本目
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