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パッドマン 5億人の女性を救った男のnのレビュー・感想・評価

4.1
パッドマンは偉大だなあと感嘆すると同時に、女性の尊厳はスーパーヒーローが現れないと守ってもらうこともできないのかと呪詛したくもなる。

全体としてはコメディタッチの明るい雰囲気の作品ながら、男性中心社会において女性がいかに周縁化されているかということが生々しく表現されていて怖ろしかった。初潮を「祝福」するのも、穢れとして「忌避」するのも、その主語は誰かという話である(あんなグロテスクなダンスシーンは初めて見た…)。

未使用生理用ナプキンというこれ以上ないほど清潔な物体を「穢らわしい」と言う農村の男性たちの頑迷さには呆れたが、我が国にも東北大震災当時に避難所で生理用ナプキンを見て「猥褻物を持ち込むのか」と非難していた者がいたことを考えると、全く他人事でなく笑えない。学校の保健体育の授業で……と言わず、今からでも小学生以上の全男性に強制的に観せるべき。

(実話が下敷きになっているので仕方ないが)当事者は女性なのに男性が主人公なのか…と観る前から少し残念に思っていたので、後半の彼女の活躍は痛快かつ説得力があってとても良かった。
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