やた

パッドマン 5億人の女性を救った男のやたのレビュー・感想・評価

4.8
ここ数年で一番「観て良かった」と思えた作品。「グリーンブック」と並ぶくらい。
2000年代に入ってもインドでは生理についてそういう考え、感覚だったことにびっくりするけど、秋田出身の人と結婚した友達が夫の実家へ行った時に「今からお墓参りに行くけど生理じゃないよね?」と聞かれ違います、と答えたら「良かった、生理だったら連れていけないから」と言われた話を思い出した。
もちろん秋田の中でも地域や年齢で違いはあるだろうけど現代の日本でも"穢れ"と認識されている場所があることに違いはない。

「女にとって恥より重い病気はない」っていうのはわからなくはない。それが"常識"の社会で育ってきて生きてる人の考えを、外野がどうこう言えるものではない。ラクシュミが「恥を尊敬に変える」と言ったように、行動で社会を変えることが第一なんだと改めて思わされた。

自分はこの先の人生で、きっと斬新な発想を生み出すことはないと思う。だけど、だからこそ、他人の思考や情熱を「今の常識と外れてる」という理由で否定することなく、フラットな視点で受け止めて考える、そういう知性を持って生きていかなければいけないと感じた。

男らしく、女らしく、といった考えは古すぎるけど、それでもやっぱり「女性を守れないで男とは言えません」の言葉には強く心を打たれたなぁ。
やた

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