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グッド・ヴァイブレーションズのhoteltokyoのレビュー・感想・評価

3.8
紛争と政治論争で情勢が安定しない1970年代の北アイルランド。そこに住むテリーは、客もろくに入らないバーでルースという女性と意気投合し結婚を決意する。生計を立てるためレコード店「グッド・バイブレーション」を開店したテリーは、若者がよく訪れると評判のライブハウスで、お酒を飲む女性にイチャモンをつける警察に対してステージ上から音楽という拳で殴りかかパンクな若者を目にし、彼らのためにレーベルを立ち上げることを決意する・・という実話を元にした物語。

「クソみたいな世界を生き抜くためのパンク的読書」という1冊のジンに「パンクとは突き抜けることなのだ」と記載がある。パンクとは1つの音楽ジャンルである前に、思想や哲学的な意味を持ち、僕たちが想像している以上に深くて、生きる指針を示している。映画の中ではユーモアたっぷりに描かれているが、当時のアイルランドは日々多くの人たちが政治に翻弄されながら命を落としていたらしい。本作では映画のキャッチコピーにある通り、魂は金に渡さず、自由な発送で自由に生き抜く若者に感化された1人のおじさんが、家族以上の愛で彼らをつつみ、それに感化された音楽業界の大物を動かし、若者達をスターダムに野仕上げる描写が描かれている。そしてなんとなく金にルーズなだめさ加減もパンクなのであった。

今でも語り継がれている1軒のレコード屋。どう支持され、どう伝説となったのか?パンクス達よ、立ち上がれ、拳を突き上げながら北アイルランドのパンクの歴史を鑑賞せよ!
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