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フード・インクのtaruponのレビュー・感想・評価

フード・インク(2008年製作の映画)
4.0
2008年の作品で、もう10年以上前に作られたものだが、警鐘という意味では、十分に今も通用する作品だと感じる。
特にコロナの今、人間がどんどん自分に都合の良いように生態系を作り変えてきたつけがいろいろな病気にもつながっているのだと実感する。

食べ物の現状としては、この時点から10年たった今、どの程度どう変化しているのだろうか。
以前よりもオーガニックなものは手に入りやすく健康志向も強まっていると思うけれど、手早く安くを優先すると、自分達が一体何を口にすることになるのか怖くなる。
日本でも、昨年種子法に関して農家が自分で種子を採取することができなくなる可能性がでてくる法律が通ったように思ったのだけど(あいまいな知識ですみません、かくのごとく、一般消費者はわかっていない場合が多い・・・私だけ?)
要は、アメリカだけの問題ではなく、加工食品、食肉、すべてを通じてアメリカで構築されたこのフードシステムは日本にも当然のごとく入ってきているということで。
最後に、ちゃんと一食、一食に対して目を配って買う食べるということをしていくことが、未来を変えることになるというメッセージがあったけれど、私達は何に気を付けなければならないのか、どういう言葉が何に繋がっているのか、余りにも無知な面もありすぎる。
遺伝子組み換え食品は怖いという気持ちはあり、豆腐を買う時に、その表示は気を付けるけれど、その他あまたの大豆食品、大豆粉を原料にした添加物を使った商品などにはまったくノーチェックのまま。
途中議会のシーンでの、表示をめぐる議論で、企業サイドが「表示することは、まだ消費者に対する啓もう活動が十分でない時点では不必要な恐怖をよぶので、表示に不賛成」という意見をのべているシーンがあったが、消費者からみるとすごく不当だと感じる(しかし、一方で私が企業サイドの担当で、売上を考えるなら表示はありえないと思うだろう)

こういう作品をみ、そして現実の地球を考えると、人はどこかで立ち止まらなければいけないと実感する。具体化させるのが難しいのだけれど。
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