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縄文にハマる人々のtaruponのレビュー・感想・評価

縄文にハマる人々(2018年製作の映画)
3.6
監督が、縄文の土器だったり土偶だったりをはじめ縄文という時代にはまっている人々にインタビューをして回るという記録映画です。

私自身が、縄文にハマっているわけではないのですが、近々青森に旅行に行こうと思っておりまして、その流れから、先日はトーハクでやっている縄文展を見に行き、そしてこれを見ようという流れに。(笑)

なんか、すごく面白い。いろいろな方たちが登場するのだけれど、その誰もがそれぞれの視点で全力で縄文を楽しんでいるのが伝わってくる、その点が何よりも楽しかった。
縄文という時代がどういう時代であったのか、土偶について、火焔式土器について、いろいろな人達がいろいろな持論を熱をもって展開する。

その中で、心に残ったことがいくつか。(以下、私なりの受け取り方なので、言葉等全く正確ではありませんが・・)
まず、いとうせいこうさんが、縄文式土器を実際に触ってみる機会に恵まれて、それによって縄文に関する自分の思いが大き変わったということ。思ったよりも軽かったとも言っていて、あぁ単に見るだけでなく(ましてや写真で見るだけでなく)触ってみる、できれば持ってみる、そういうことができると、モノに対する印象が全然変わってくるんだろうなと思った。現代人は視覚に偏りがち。もっと他の五感をフルに使って感じた方が、縄文に近づけそうな気がした。
あと、猪風來さん、実際に北海道で竪穴式住居での縄文ライフを送っている方なのだけど、その方が竪穴式住居から外をみると目線の位置が外の地面で、そこには草や、動物達、虫達が見えて、自然を足元にみるのと、目線でみるのとでは、世界が全く違って見えるということ。縄文の祈りだとか思考を理解するのに、実際にその生活スタイルに近づいて体感して語る世界観はすごくストンと腑に落ちる気がした。

そう、縄文ってたぶん今の私たちの尺度とは全く違う文脈に存在していて、それでいながら、綿々と今に繋がる部分もありで、でも記録に残っているわけではないから実際どうだったのかは本当に想像するしかない。
そこが面白さでもあり、ロマンなのだろうけれど、個人的にはホントはどうだったんだろうって思うとモヤモヤするものも感じる。
世界の中の同時代の文明や、当時の地理的な部分も合わせて、もっと知りたい気持ちがむくむくしてくる。
あれ?これって私もハマってきている??(笑)
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