ルイまる子

家へ帰ろうのルイまる子のレビュー・感想・評価

家へ帰ろう(2017年製作の映画)
4.0
アルゼンチンに住む88歳の老人が70年の時を経てポーランドの恩人に会いに行く。ホロコーストの生き残りのユダヤ人だ。途中ドイツで下車せずに行く方法はないかとパリの駅でフランス語しか話せない駅員に筆談で詰め寄るシーンはすごかった。周りが皆笑ったことをおじいちゃんは気にしていたが、そういう意味じゃなく、地理的におかしなことを言うから笑っただけだよ。。。。たまたま隣に居合わせた女性がスペイン語とイディッシュ語(ユダヤ人の言語)を話せて通訳をしてくれてしかもその後も色々お世話してくれる。彼女はドイツ人だったけれど。。。

ホロコーストに人生全部奪われた人が死ぬ前にどうしても恩人に礼が言いたい気持ちはよく分かる、そしてそれを決意するのに70年かかる気持ちもわかる。ドイツへの恨みがあの文化人類学者のドイツ人女性が親身になってくれたことで少し削られたところも涙が出る。世界中に戦争で人生を犠牲にした人達が五万と居る。その人達はもう残り少ないが地味に生きて来て悔しい思いのまま死んでいく。その中の一人のおじいちゃんにスポットライトが当たった映画しかもホロコーストの犠牲者をこういう形で描いてくれて嬉しかった。見れて良かった。
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