nisui

博士と狂人のnisuiのネタバレレビュー・内容・結末

博士と狂人(2018年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

英語辞典の編纂者に選ばれた言語に明るい仕立屋が広く協力を募ったことで妄想に取りつかれて殺人を犯してしまった男と出会う話。
タイトルが素晴らしい。編纂者と囚人、ともに博士であり狂人であると。
友情と信頼でつながれた編纂者と囚人はとてもよい関係だったけど、囚人と未亡人の関係はとても苦しい。惹かれあっていく様子にあたたかいものを感じていたけれど、長女が囚人の頬を張った場面で目が醒めた。きっと彼を一番許せなかったのは彼自身で、あの凶行に及んでしまった絶望は計り知れない。でも金銭的にもそうだし学ぶこと・学ばせることの大切さを教えておそらく未来の子どもたちをも貧困から救った彼は許されるに値すると思う。
編纂作業の場面は圧巻。コンピュータ社会の現代では信じられない膨大な物量。「70年後に完成したという」という後日談に唖然。「言葉は変化するもの」を思うと70年の間にどれだけの手戻りがあったかと思うとゾッとする。
この題材でエンタテイメント性がしっかりあるのもよかった!編纂者を陥れようとした奴がザマミロな展開になってスッキリした!
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