磨

教誨師の磨のレビュー・感想・評価

教誨師(2018年製作の映画)
3.3
今年2月に亡くなられた大杉漣さん最後の主演作にして、唯一のプロデュース作品。

死刑囚と対話する教誨師を描いた作品。
なんとなくこういう人がいるのは知ってましたが、どんな感じなのか詳しくは知りませんでした。そもそも教“戒”という言葉とどう違うのか疑問でしたが、ウィキによると__
《教誨(きょうかい)とは、第1義には、教えさとすことをいう。同義語として教戒(きょうかい)があるが、こちらは、教え戒めることをいう。両者の違いは「誨(意:知らない者を教えさとす)」と「戒(意:いましめ、さとし)」の違いである。》との事です。なるほどなぁ‥と🙄

無口、お喋り、ヤクザ、ホームレスなど、個性(アク)の強い死刑囚達との対話を繰り返す物語。月に2回教誨をするらしいのですが、その中でも死刑囚ごとに物語があり(どうでもいい話に終始する者もいる)、教誨師である佐伯の過去の物語も出てきます。舞台となるのはほぼ一ヶ所で、登場人物も多くありませんが、淡々と、そして深い作品でした。


「日日是好日」と「教誨師」を鑑賞致しましたが。どちらも作品も静かに流れていくような物語。一歩間違えると、ただ長く眠くなってくるような作品なのに、両作品とも時間を感じさせないくらい見入ってしまいます。俳優さんの演技力に依るところも大きいなと感じます。樹木希林さんも他に代えのきかない俳優でしたが、大杉漣さんも亡くなってから、よりそう思うようになりました。お二方のご冥福をお祈り致します。素晴らしい作品をありがとうございました。
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