るる

21世紀の女の子のるるのネタバレレビュー・内容・結末

21世紀の女の子(2018年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

"女性"作家のえげつねえ自意識を見る覚悟を決めて流し見。こんなの直視はできないよ、つらいです。同性である、女の作家の嫌いで嫌いでたまらないところが詰まってた、まじつれえ、仲良くなれねえ。逃げ道として安易なエロに走れないぶん小難しい文学に走る、一昔前のインテリ青年のようなのに青年らしい特権的自由がないのでまじで逃げ場がない、勘弁してくれ!!!

いろんな傷があるんだな、いろんな言われたされたなんだか引っかかった、があるんだな、と思ったけど、その程度の傷をだらだらモノローグくっつけて並べてんじゃねえよ、という気持ちになった、すまんな。。

せっかくの企画なんだからもっと風穴開けてくれよ、読むべきとされる空気を切り裂くような台詞をくれよ、と。もどかしい気持ちに。

レズビアンのクリエイター、レズビアンの写真家を描くにあたってなんでこんな表現になるのか。。相手に予告なく不意打ちで撮影、その演出法、いま批判されてるやつ…マイノリティである彼女に倫理やプライドを捨てさせてるのはなんなのか、構造を描かなきゃ成立しないでしょ、気取ってんじゃないよ。レズビアン当事者の表現ならともかく非当事者がつくってるんだとしたら最悪だよ、大丈夫? 

才能があるはずなのにつまずく女、外野の声が気になる、うるせえなあ!って感じ。もっと向き合え。相手と喧嘩してから落ち込めよ馬鹿野郎。

最高のチャイニーズ女のマシンガンぶっ放しから始まったのに、ろくでもねえマウント取り合いの会話、おっぱいとちんこの話、面白くねえ。もっと面白くて楽しい会話しろよ、なんで女友達と集まってこんなつまんねえ話してんだ、そんなわけねえだろ。どうせ盛り上がるならもっと腐すべきものを腐して盛り上がってくれよ、何を避けてんだ。。

恋愛に幻想を持つ彼氏にもやっとする女子高生、アドバイザーがみんな薄っぺらい、恋愛観というか人生観というか人間観が幼すぎてつれえ。関係構築、コミニュケーションという概念がないのか、つらすぎる。

私と映画を撮ってください、と紙を掲げても誰も集わない、ようやく手を挙げてくれた女、しかしどうせセクシャルを求められる、女が撮るからリラックスした表情を見せる女、世間的需要…こういう題材だからこそ、その外側を見たいんだって。。つら。

スランプ作家のスランプを曝け出す、つれえ。その曝け出しがつれえ。一人じゃドラマにならないから男の演出家を出す、シチュエーションを旅館に、なんだかなあ、安易では。。コーティングしきれていないように思う、なんだかなあ。。遊びに行く許可を男に求める女を描き出す、なんでわざわざそんな…なんだかなあ、こういうのはちゃんと自己との対話として書けっての。

百合の小品。目を閉じて、と言われて素直に目を閉じる彼女が何考えてるか全然わからない、わからない。

演劇部的演説からの女子会トーク、付き合ってた男が男と浮気、未練たっぷり、なんだかな。。私は私が一番好き、そんな私を好きでいてくれるヒロトが好き、わからん、その自己肯定感、自意識…わからん。

合意なく性行為に及ぶ男、夢現に女と睦み合う女、なんかもう最悪なイメージの組み合わせ、つれえ。自分の男性的な部分に気付く女、いやいや、加害欲=男性性ではない、あなたは女のまま女と交われるんだから男になる必要はない、まずはその男を潰せ。。タチの女をそんなふうに描くな。。それともこれ、トランスジェンダー男性、性的指向は女、のイメージなのか、だとしたらなおのこと、つれえ。。性暴力が当たり前の世界観でセクシャリティの混乱をそのまま表出させてしまうとあまりにも。。どうにかならんのか。。

ライトアップされたラブホで男にマニキュア を塗ってもらう、なんだその夢のようなシチュエーション。そしてタバコを吸う女、アイコス吸う男、やめたいけどやめられない、セフレなのにセックスレス、めっっちゃおもしろいじゃん!!ビール飲んで気合い入れたのかと思いきやゲロを、さいあく、彼女と別れました報告する男、バカすぎて笑うっきゃない、あーずるいなあ…満更でもない女!かわいい!めっちゃおもろいやんけ!!!!不感症の女、気持ちがない性行為に萎えてただけだと自己分析を発表する女、かわいい、うずくまっちゃう男、ずるいのそっちだろ…かわいい!!こいつらかわいい!!!! もう一回しようよ初めから、殺し文句!!!!わーい!!!!ラブコメとして最高だったし、引っ掛かりなく見れたのがこれだけだった。心折れかけてたので出会えて良かった。

男といたせいで映画をちゃんと見れなかったことを気にする女、もう別れろ、それっきゃない。男も文学野郎なのかよ、君を誰よりも理解してるよ、とかいうやつ、世界が狭すぎるし想像力がないだけだから絶対やめとけ。。泣かなくていいよ! 女友達つくれよ!!!

赤リップなのにいまっぽさがない、眉メイクのせいか、たばこのせいか、昭和っぽいロマンポルノっぽさを狙ってるのかなんなのか。ゆきずりの男と寝ながらセックスごときで、と言ってのけるサバサバ系女、なんなんだろうな、無頓着というより強がってるように見えて痛かった。

山戸監督の台詞の奔流、めちゃくちゃ舞台っぽくて好きなんだけど、どうせなら舞台で、映像投影してもらって、役者の肉声で見たい聞きたい味わいなんだよな。。唯一フェミニズム を"勉強"してるひとの台詞群だと感じたけれど、オリジナルの言葉としてはいまいち昇華され切ってない詩だなと。戯曲の台詞ならちょうどいいし。好きなんだけど。。衝撃はなくて。。でもまあ好きですね。はい。。そんなかんじ。。

なんというか、ヤマシタトモコ作品の実写化を見るまでは死ねねえ、理想の日本製フェミニズム作品を目の当たりにするまでは死ねねえな、が生きるよすがのひとつになってるんだけど、寿命が伸びた感じ、まだもうちょっとかかりそう、まだ死ねねえな、って感じ。

そうそう、二人の女の子が多めだったけど、三人組の女の子を見たかったな。女の子は三人いて初めて人間になれる、ひとりだと周囲の男たちにアイドル扱いされて人形扱いされて力を持つことはない、ふたりだと周囲の男たちに比べられ対立させられ喧嘩させられる、という言説を信じている、そして、人間とはそういうものだと思う。ひとりだとひとりよがりになる、ふたりだと相手と自分を比べ続けることになる、女の子たちを客観視したうえで女の子である自己を省みる、三人称の女の子を見てみたかった。
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