とり

ラスト・ウォリアー 最強騎馬民族スキタイを継ぐ者のとりのレビュー・感想・評価

4.2
予想してたよりかなりいい出来の映画でした。
美術方面がすごくいい。衣装、武器、特殊メイクどれを取っても一級品です。特に衣装関係はものすごくこなれているというか、着こなしてるというか、風合いが自然。コスプレ感がなくて素晴らしいです。
スキタイ長老の衣装が尖りすぎてて、画面に映ると他が目に入らないくらい釘付け!

カメラワークや構図の取り方、そこに配置された人物やその他オブジェ関係もほほー!と思わされるくらいセンスがいい。
ちょっと黒澤明に影響を受けてるのかな?と感じました。
ただし、手持ちでのブレ感が強すぎて疲れます。特に格闘アクション中のカメラが相撲の行司かよ!ってくらい接近まとわりついていて、見づらいことこの上ない。

太古の昔から繰り返されてきた中国から欧州にかけての大陸での民族間の争いと侵略、滅亡の歴史。
あのあたり、ものすごい数の少数部族が消えていってるんですよね。しかもまともに発掘調査がされていない地域も多く、謎に包まれた部分が多くて歴史ロマンにあふれています。
そのうちの一つ、スキタイ族もまた謎が多くて、こうやって映画にしてくれるのが嬉しい。

スキタイの一人、モヒカン兄さんのキャラ造形が最高にかっこいいです。
パンキッシュな風貌にシャープなシルエット。周囲が野獣みたいなオヤジだらけなので、一際輝いてます。洗練されてる。
アクションも一撃必殺から手数スピードまでオールマイティでものすごくヤバい人っぽさが出てます。すぐデレるんですが。
デスマッチ風アクションもあってちょっとマッドマックスみたいな箇所も。

主人公のおっさん、正統派戦士という感じで途中までは手堅く進むんだけど、ある時点から唐突に荒唐無稽な方面に傾いていって、エ?となります。娯楽エンタメ色もある程度入れておかないとですね。
もっと多くの人に観てもらってもいい映画だと思います。
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