「納屋を焼く」は読んでいないけど、不思議さを残しながら頑張って読み進めたら、最後に全部伏線が回収...されなくて不気味に終わる(笑)みたいな感じが村上春樹なのかなと思った。
ビニールハウスが並び、農業、酪農をしながらのどかに暮らす農村。
ジョンスは小説家に変身してそこから飛び出したかったのか。
ヘミもまた、顔を変え、都会の女になりたかったのか。
上手くいかない虚しさを共有し心を寄せあった二人が、理解できない裕福さをもて余すベンの狂気にじわじわと蝕まれていく。
ヘミ、ジョンス、ベンそれぞれの部屋。ビニールハウスの農村と朝日の中での半裸グレートハンガーダンス。印象的なシーンや、キャストの演技の巧さは光っていた。
観た人に解釈の余韻を残したいんだろうけど、とにかくモヤモヤした怖さが残る映画。ビニールハウス燃やし、怖いって((( ;゚Д゚)))
井戸の底から切り取られた丸い空を見るみたいな表現、たしか「ねじまき鳥クロニクル」でも出てきたな。気に入っている表現なのかな。