ピッツア橋本

バーニング 劇場版のピッツア橋本のレビュー・感想・評価

バーニング 劇場版(2018年製作の映画)
4.0
“あの炎は君が燃やしたのか?”
村上春樹の短編小説『納屋を焼く』をベースにしたミステリーサスペンス。

街中でキャンギャルしてた地元の女ヘミ(整形済み)に出会うフリーターで小説家志望のジョンス。
自分が小旅にでる間、アパートの猫に餌をやってほしい、というお願いに答えつつ、成り行きでセックスしてなんとなく関係ができる2人。
数日経ってヘミが小旅から戻ってくると、彼女は旅先で仲良くなったという謎の青年実業家ベンを連れてくる。
それがきっかけで3人の奇妙な友情のような、緩やかな愛憎関係のような“何か”が始まるのであった。


「まるで(グレート)ギャツビーのようだ」とベンを表現するジョンスの言葉が的を得ていて、彼の謎の余裕が物語のキーになっている。清潔感あるんだけど、歪んだ価値観がセリフの節々に見えて興味深い。

そのミステリーと、ヘミの持つ女の憂鬱や嘘が入り混じった言動に翻弄される普遍的な田舎青年ジョンス、という構図が良い。

ヘミが大麻でハイになって夕焼けの田舎を半裸で踊るシーンがとても美しかった。
あれが本作のテイスト全てを表現してるんだなと感じた。

ただ読んだことないけど、これが村上テイストなのか。
中後半からの映画ドラマ的フラグ回収全てに霞がかかり、明確な答えやオチが希薄になる。

この感じを楽しめる人は良いけど、自分は苦手な人でした苦笑

言葉にし難い違和感が欲しい人はオススメかもしれない映画です。
ピッツア橋本

ピッツア橋本