バスの吊り革引きちぎったらダメ。
マブリーことマ・ドンソクがアームレスリングの大会に挑む話。
マブリーが腕相撲する映画だと…?
もうそれだけでお腹いっぱい感が…。
作品自体はスポ根ものではなく、ドラマ寄り。
ただ、真っ先に思ったのがマブリーの腕相撲の演技が上手すぎること。
これはもうマブリーが暴れまくっている他作品と比べても群を抜いて苦労したに違いない。
そりゃあ、少しでも力を込めようものなら、相手の役者の右腕が再起不能になってしまうことは誰も目にも明らかで…。
全くといっていいほど力を入れていないはずなのに、本気の腕相撲勝負の映像を観ているようで心から感心させられた。
特に手首をひねるシーンとか見事としかいいようがなく、本来なら相手の手首を軽く外すことができるはずなのに、それを痛くさせないようにひねっているように見せるのが達者。
トレーニングシーンでは、ゴムチューブでつないだ車を引っ張るシーンで、ひっくり返さないようにするのが大変だったに違いない。
力は入れているように見せなければいけない、且つ、最初の段階では車はひっくり返してはいけないという難儀な演技を見事にこなしてみせたマブリーはやっぱり凄い。
英語が達者なマブリー。
ゴリラと言われようがブサイクと言われようが子供に優しいマブリー。
不器用なりに家族というものの在り方を模索するマブリー。
借金取りが自然に90度腰を曲げて挨拶したくなるようなマブリー。
あおり運転をした挙句、車を停車させてきた男がマブリーの顔を見て立ち去る。
バスの吊り革をちょっと引っ張っただけでちぎってしまい狼狽える姿が愛くるしい。
主演がマブリーでなければ、スコアはマイナス0.5