ジーハ

毒戦 BELIEVERのジーハのレビュー・感想・評価

毒戦 BELIEVER(2017年製作の映画)
3.5
香港版のオリジナルのほうは未鑑賞。
でも最近、韓国でリニューアルされるている作品はオリジナル版を大きくアレンジしたものが多く、本作品が醸し出す独特なこの雰囲気…オリジナルとはまた違った作品に仕上がってる予感がした。

とにかく俳優陣の演じる力、互いのポテンシャルが絶妙な化学反応を起こして作品を盛り上げていたと思う。

どの役を単一切り取っても、それぞれ役のキャラ立ちがヤバいくらい凄まじく、その個性のぶつかり合いに終始圧倒されてしまってた感じ。

特に、観た人たちがほぼ全員感じたんじゃないでしょうか。中国麻薬市場のトップ、ハリムを演じたキム・ジュヒョクとその妻を演じたチン・ソヨン。
罪の意識のない子供が、そのまま大人になってしまったような…ドラッグを吸いハイになり、じゃれてはしゃぎまくる2人の姿は、全くもって幼稚な未成年そのもの。でもそれ以上に漂う妖艶な色気や狂気に包まれる異様なあの空気感…。あれは誰にでも演じられる役ではないですよね、、圧巻。

神がかったキム・ジュヒョクの鬼気迫る演技。凄い…を通り越して何かが憑依?別の力が働いたかのような、文字通り怪演の一言でした。まさかこれが遺作になるなんて…ほんと残念でなりません。

このストーリーのキーバーソンである麻薬組織トップ「イ先生」。彼あるいは彼女がいったい誰なのか?中盤以降、正直そこは予想がついてくるわけですが、"犯人探し"だけでは終わらないのが韓国ノワールの大好きなところ。
そしてただのエンタメとして観ていたら、好みが別れるかもしれない、観る人に委ねられたようなラスト。

ウォンホ(チョ・ジヌン)がラク(リュ・ジュンヨル)に問いかけた時に見せた、どうしようもない感情を堪えたような切ない目。

ラクの落ち着き払った静かな物腰と口調。

二人の間に流れる静寂。

真っ白な大自然に鳴り響く…

少なくとも自分の中での答えはラストに繋がりました。

最初にも触れましたが、演者全員(男女両方)がとにかくカッコいい!!なので彼らが演じるエネルギーその強烈なキャラクターを感じ拝みに行くという少し偏った楽しみ方もお薦め!(笑)
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