Sachika

ジュディ 虹の彼方にのSachikaのネタバレレビュー・内容・結末

ジュディ 虹の彼方に(2019年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

一般試写会にて。
かなりストーリーに触れているので、観覧注意。



オズの魔法使いのドロシー役として知られたジュディ・ガーランド。
子役時代から太ることは許されず、過度な食事制限でビタミン剤しか与えられなかったり、やせ薬としてのアンフェタミン、寝かせてもらえない状態からの睡眠障害、睡眠薬の過剰摂取。
そんな薬漬けの無限ループ。
「契約」を謳う大人たちから洗脳に近い圧力と、奴隷のような不眠不休の仕事のさせられ方をし、薬漬けにさせられた。
そんなジュディは作中でもほとんど食事に手を付けず、薬とアルコールばかり。
大人になっても劇場の市内人からビタミン剤の投与を進められると、顔がこわばってる(演技をしている)ように見えた。

ジュディがどんな人だったかはわからないのだけど、気分屋というか、仕事に対して「大御所ぶる芸能人」の見本のように、酔っぱらって遅刻したり、やりたくなければ帰るなど、お金をもらってステージに立つ歌手としては最悪な人物に見えた。
彼女の過去についての記事( https://www.elle.com/jp/culture/celebgossip/g30696921/vol6-toxic-mother-judy-garland-abused-by-hollywood-industry-first-part-200130/ )を載せている方がいて読んだけど、まさにわがまま女優として見られても仕方がないし、そうにしか見えない。
ステージがめちゃくちゃになったせいで事業もうまくいかず、口論になり離婚し、そのメンタルから散々なステージとなってしまい、降板。
映画では降板した劇場で、最後に1曲歌わせてもらうことになり、最大の盛り上がりの中「虹の彼方に」を歌う。
やっと歌うことに火が付いたとしても後の祭り、降板してからプロ意識に目覚めるなんて意味ないじゃん。
と、頭では思うのだけど、ジュディの「虹の彼方に」の歌声とともに自然と涙がこぼれ、エンディングまで全然止まってくれなかった。

最後はロンドン公演の半年後に自宅でなくなっているのが見つかったらしい。
死因は睡眠薬の過剰摂取。
元旦那の家で暮らす子どもには、その後会えたのかなあ。
靴を3回鳴らして、子供たちに会いに行けたらよかったのにね。

ゲイカップルがジュディの大ファンとして出てくるんだけど、彼らと一緒に過ごすシーンが一番よかったなあ。
当時はまだ同性愛に対して異常者扱いがあり、差別があった。
そんな彼らにもジュディは偏見を持っていなかったようで、スターとファンの関係なんだけど親しい友人のようで胸が温まった。
そんなジュディの歌に支えられているカップルが、最後はジュディに恩を返すのも、涙が止まらなかった要因。

公開されたらもう一度見に行こう、そう決めました。
Sachika

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