10円様

ジュディ 虹の彼方にの10円様のレビュー・感想・評価

ジュディ 虹の彼方に(2019年製作の映画)
3.5
レネーゼルゥイガー。ちょっと前の人にはレニーのほうが呼び易いですね。でもここは時代の流れに倣ってレネーと呼ぶようにします。前回「アナ雪2」のレビューでサーミ族について取り上げましたが、何と彼女にもサーミ族の血が流れているそうなんですね。何たる偶然!

そういえばジュディガーランドに関しての伝記映画ってあまり聞かないですよね。題材としてはとても面白いもののような気がするんですけど。今作でも少し触れていたけどやっぱりジュディの全盛期、かつ最も苦労した時ってガムシスターズとしてデビューしてからオズの魔法使までだと思うんですよね。肥満体だった彼女は強制的にダイエットさせられていたり10代前半の女の子には相当キツかったと思います。しかもアーサーフリードと性格関係をもってMGMに残留するなどの噂もあり、当時のハリウッドの無法地帯っぷりが窺えますね。
今作ではそこら辺は描かれておらず、晩年のジュディの幼少期のトラウマ程度で終わっているのが残念でした。しかしジュディのその後の超波乱な人生を映画で表現しろって言われても難しい気がします。よって晩年期のみに焦点を当てた今作は、内容としては普通の域を越えないかなあって印象なんですけど、やっぱりレネーの演技は素晴らしかったですね。劇中歌も吹き替えなしでやってるようですが、そんなの「シカゴ」でのあの歌唱力を観れば当然です。それに加えてあのやさぐれた感や太々しい態度、老いて行く事への不安をもった眼差しなど、これまでのキャリアの中でも特に良かったと思います。

余談ではありますが2000年代初期が彼女の全盛期で私は彼女の大ファンでした。確か2010年くらいまではいつものレネーでした。2016年「砂上の法廷」という映画を観た時、最後までこれがレネーだと思わなかったくらいの変貌ぶりに驚いています。これに驚いたのは絶対私だけではないはず!チャームポイントだった座った目とたらこ唇が無くなったのです…でもブリジットジョーンズ3作品目には少し戻っていて(CGか?)今作もだいぶ原型を取り戻していました。

普通のままの方が愛敬があって良かったのに、スターはスターなりのコンプレックスがあるんですね〜
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