やた

ブラック・クランズマンのやたのレビュー・感想・評価

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
4.2
めちゃめちゃ心臓に悪い。「ゲット・アウト」以上。
でも痛快さはちゃんとあって、バランスが絶妙だと思った。

劇中でもラストでも、目を背けたくなるような描写がある。ここまでのものは少なくとも自分の身の周りでは起きてないはずだし見たことはないから、「日本では無縁」と思ってしまいがちだけど、そうじゃないと思う。
きっと目に見えづらいだけで、あそこまで過激な行動に出ないだけで、自分や身近な人たちの中にも強い差別意識やアジア人コンプレックスはあるし、「ない」と思い込むことが一番怖い。人種の問題に限らず。

「ハートストーン」を観た時に杉山文野さんが「韓国に行った時に、同性愛反対の人になぜ反対なのかを聞いたら、"儒教の教えで禁じられているから"と言われた」と話していたけど、KKKの主張にはそれと近いものを感じた。
自分たちが憎悪したり、見下したり、異質と感じたり遠ざけていたり、その対象に果たしてそうする根拠があるのか?その根拠は本当に根拠になり得るのか?正当な根拠だとしてもそれを露わにする必要があるのか?これを考えるのをやめないように気をつけたい、と改めて思った。
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