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ブラック・クランズマンのNEWおっさんのレビュー・感想・評価

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
4.0
「黒人と白人で二人一役」

アメリカ人初の黒人刑事ロン・ストールワースが黒人刑事が白人至上主義団体、通称KKK(クー・クラックス・クラン)に潜入捜査した話。
元はノンフィクション小説、つまり実話。監督は「マルコムX」のスパイク・リー。

カンヌやアカデミーで色々賞を取ったこの作品だが、同年に公開し作品賞を、受賞した「グリーンブック」も白人黒人問題を取り上げる映画だった為か、論争大好き人種差別に厳しい監督が批判的だったことで有名にもなったなこの作品。まあ単純に嫉妬なんだろうけど。

と嫌味な前置きはさておき、作品としてはメッチャ面白かった。自身が黒人である監督がこの実話に巡り合って映画化したのは必然とも言える。黒人であるロンが凄いのは勿論だが、実際潜入捜査に行くのは白人であるフィリップであり、ネタバレになるがユダヤ人であるが故に白人同士なのにやたら衝突するのも面白い。実際命の危険にさらされてるのはフィリップの方だしな。

潜入捜査している時の緊張感は言わずもがなだが、ロンが白人のふりしてKKKの最高幹部と話してるのも妙な緊張感があって面白い。声で黒人が分かるとか言っておきながら全くの的外れなのもなんかお飾りなお偉いさんみたいな感じが出てるよ。

不満というか監督のメッセージ性が強過ぎると思った。それが顕著に現れてるのが黒人の老人の過去にあった話を聞く学生団体の面々の場面とラストの2017年に起きた事件の実際の映像。なんか凄え嫌らしい自己満臭を感じたわ。

なんかやたら「グリーンブック」と比較されて、それよりもしっかり人種差別を描いているとか言われてるが、別に人種差別を描けてるから良い作品てワケじゃないし、それぞれ別の良さがあると思うんだがな。まあ当の監督本人が批判しているし仕方ないトコもあるのかのう。自分はジャンル自体違うし単純に比べられないが、こちらも面白かったとだけ言っておこう。