ShiroKyogoku

バハールの涙のShiroKyogokuのレビュー・感想・評価

バハールの涙(2018年製作の映画)
4.4
ちょうど先日、トランプがトルコによるのクルド人自治区への攻撃を事実上容認した。これによりISの勢力の巻き返しも懸念され中東の混乱は今現在も続いている…

そんなクルド人自治区で弁護士だった女性ババールがISの急襲で拉致され性奴隷とされ、旦那は殺され、子供とも引き離されるという現実とは思えないような惨状から、「太陽の女たち」という同じような境遇に遭った女性たちと立ち上げ、ISと戦い、拐われた子供を救い出すという話。

フィクションではありながら、この物語に出てくる人間の所業とは思えないかつてのISの数々のエピソードや混迷するイラク、シリアで起きていた作品内の出来事のそのほとんどは、実際に起きていた事実であったのだろう。
自分がこの国に生まれ、平和裏に日々を過ごしている同じ時間にも世界の別の場所では、こんな悲惨なことが起きて、そしてそれが繰り返されている。
直接的に解決するための何かの役に立つなんてことは無いのだろうけれど、多くの人がこういったことをより多く知る事は、ほんの少しずつで小さな事かも知れないけれど、よりよい未来の世界のためへの力になるんだと思う。
そんな、多くの人に観てもらいたい作品だった。
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