チッコーネ

チャウ・シンチーの熱血弁護士のチッコーネのレビュー・感想・評価

3.2
90年代以降の香港映画界で、自国大衆向けエンタメのトップに君臨していたらしいチャウ・シンチーについては、監督作も含め今回が初見。
時代劇のコスチュームに身を包んでいるせいか、トニーとレスリーを足して2で割ったような、愛くるしい顔立ちの魅力が直球で伝わってくる。
せわしない演出が特徴的な香港コメディのスターならではといった演技が、ひとつの様式として機能していた。

本作はジョニー・トーのライトサイドに属すクラシックでもある。
シュールでナンセンスな展開が延々と続き、無条件で笑える娯楽作だが、終盤の法廷場面は、意外なほど倫理的なディベートの連続。
権力の腐敗も冷笑的に描かれていた。
スタントマンが繰り広げる華麗なワイヤーアクションや、フィルムの巻き戻しも、随所で登場。
そしてジョニー・トー映画はゲイキャラと無縁…、と思っていたら、本作に登場していた!