生きてるってことは他人に迷惑をかけることなんだよ。分かっているつもりだった。でも改めて噛み締める。その言葉を誰が発したかで重みが変わってくるからだ。
首から上と手指しか動かせない鹿野さんがそのセリフを口にする。
我儘ひとつひとつに意地がある。「筋ジスなめんなよ?」我儘だって容易く口にしているわけじゃない。こんな夜更けにバナナかよ。でも心残りを抱えて眠れない。食べたいなら今しかない。また明日ね、なんて…明日はどうなるかも分からないのに。
ちょっと生き方、変えてみようかな、とすら思う。明日も知れないのは実は皆同じはずなんだ。
また来年会おうね。夏になったらあそこへ行こうね。もう気軽にそんな事を言えない世界なのだし、変わらなくちゃいけない。
とにかく大泉洋。彼の魅力ですよ。あれだけ傍若無人に振舞っても憎めない。とんでもない我儘な発言も、声に信念を纏っているから嫌味に聞こえてこないんです。いい演技だったなぁ。