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ボーはおそれているのcomaのレビュー・感想・評価

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
4.0
最初のパートでまず早速混乱
理解できない展開が続くのですがこれは誰かの視点から世界を見ることの体験。
相手の立場になって考えることの難しさを思う。自分の見ている世界と、相手の見ている世界には想像している以上の乖離があるんだよなぁ、ということが嫌という程感じられる。

アリ・アスターの家庭にまつわるホラー作品三部作のなかでも最凶最恐最強だなぁと思います。
母親という役割の狂気、暴力性の1番の恐ろしさは全ての行動が「愛」という一言で誤魔化され納得させられ屈服させてしまうというところ。そのあたりを見せつけられる映画が私にとって1番嫌なんですが、これはその最もたる作品。

あの母、ちょっと分かるんだよな~でもやらんけど(やらないように気をつけているけれど、かな)本当に嫌な部分で共感するなぁ~私が富と権力を持った女でなくて良かったよなぁ~って正直思いました。

天井から落ちてきた○○と○○でもつれ合うシーンであまりにも無茶苦茶な展開につい笑いが漏れたんですけど、
YouTube上の映画評論家の町山さんの解説を聞いて納得のいくシーンに代わり…全てのシーンに隠された真意があるのかと思うとその仕掛けの多さに気が遠くなりそう。何度でも観たいなと思わせられました。
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