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ビッチ・ホリデイのcomaのレビュー・感想・評価

ビッチ・ホリデイ(2018年製作の映画)
2.5
裏稼業の一味が、女子供連れでバカンスを過ごす。トルコのリゾート地はとても美しく、酒と薬に塗れたバカンスの毒を和らげてくれる。じゃなきゃ見てらんない。

リーダー格の男の恋人である、主役のサシャを演じるヴィクトリア・カルメン・ゾンネが絶妙...シラフの顔がなんとも不安定で見ていると居心地悪くなるんだけど、スタイルの良さは抜群。引きの画が多いので、余計に。

サシャは虚栄心はあるけれど、自尊心がない。どんなに外見が美しくても、中身がないから人間として大切にされることはない。こういう女はギャングの妻になれない...
力無く笑って、意味のあることなどほとんど喋らない。キレたらマズい男の欲望のはけ口...そういう役回りとしてグループの中にただ存在している。
残酷なのは、このグループには子供も含まれていて、暴力の場面を目の当たりにさせられているところだ。
モザイクのシーン、画面の端で黄色いサンダルの足が映り込んで胸が苦しくなる。
監督の実体験はどこまで?よくこっち側に帰ってこれたな。

展開が「ジョーカー」の様だとも思える。奪われる側だった彼女の選択はいかに...「ビッチホリデイ」にはカタルシスも何も無いんだけどね。
流されるように迎えるラストシーンは妙に納得。
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