トモ

七つの会議のトモのレビュー・感想・評価

七つの会議(2018年製作の映画)
4.6
七つの会議

凄く長く感じた、良い意味で

期待以上でもなく期待以下でもなく

TBS池井戸潤映像作品は全部観てますが、変わらず安定の面白さ

映画「空飛ぶタイヤ」と同じく企業隠蔽を扱った作品、空飛ぶタイヤは被害者遺族と向き合う作品でもあるので2時間では明らかな物足りなさを感じたけど、今作は企業体質を働く一人一人を丁寧に描きながら徐々に明るみにしていく濃厚な作品

企業の悪というのはどこから始まるのか、働く人全てに思う部分があると思う

保身や抗えない組織の仕組みに葛藤しながら「会社の為に」「多くの社員を路頭に迷わせないように」、時には必要悪だと気持ちをすりかえながら目を瞑り問題を先延ばしにする体質

藩の時代(それ以前)から遺伝的に継がれるものでこの先も変わらないと言う八角もその一人

同時にどの時代にも存在する一人一人の正義や矜持や信念や、本質を忘れず貫き通すといった義

こういう企業体質とその中で立ち向かう人達を扱う作品は数え切れないほどある

例え小さくても一人一人の「気付きから変革」の大切さを教えてくれるもの、それが作品の意義であって、隅々まで行き渡らせていた今作は素晴らしかった

TBS池井戸潤作品お馴染みメンバーやその他豪華キャスト、厳密に言えば純俳優ではない世界の人達の共演、色々な意味でスクリーンに映える華やかさだった

最近はサプライズ出演が流行っているのか、最後に登場した大物トメ俳優には驚いた

八角の居眠りも、起きれば必ず会社は変わるという八角の願いや葛藤を表しているようにも取れ、野村萬斎さんの演技が絶妙だったと思う

先にも言いましたが、良い意味で芯の変わらないTBS池井戸潤作品がドラマ下町ロケットの続編が素晴らしく繊細さを感じさせたように、心に訴えかけるような濃密な作品に色を変えているのを感じるので、これからの作品にも大きな期待を抱いています
トモ

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