ぬーたん

エンド・ゲーム 最期のあり方のぬーたんのレビュー・感想・評価

3.5
エンド・ゲームというタイトルに違和感がある。日本とアメリカの病院では死生観も違うとはいえ、死の前から解剖のことをさらりと家族に打診する無神経なやりとりがもうついて行けない。臓器提供なら生きているうちに確認が要るが、解剖は死後でいいのでは?と思った。
クイーンのライブを一緒に観に行った姉が、10年ほど前に亡くなったが、最後はホスピスに入った。かなり悪化した状態で入ったのでわずか1ヵ月で亡くなった。姉の夫は一番広い個室に入れて、ソファーもあって家族が寝泊まり出来た。見舞いに行ったが、そこはもう最後の場所で、スタッフも家族も本人も悟ったかのように穏やかで、治療もないから静かな空間だった。死を待つ場所ではあるが、ざわざわした機械だらけの大部屋の病室よりずっと最期にふさわしかった。
このドキュメンタリーに出て来る患者はアジア、黒人、中東、と人種も様々で、恐らく宗教も考え方も異なるだろう。でも想いは同じ。もっと生きたい。死を考えるのは健康な人で、死を前にした患者は生きることを考えると医者が言う。生きるために辛い治療を受けるか、穏やかに家族と過ごすか?家族も迷う。夫と母親は意見が異なるが、本人の意思は…?
脚を切断し片腕のない医者が素敵だった。こういう医者はきっと患者の辛さが分かる。
生きることは死に近づくこと、必ず死は訪れる。誰にでも平等に。このドキュメンタリーを観ながら、父や姉の最期を思い出していた。
子供は親より先に死んではいけない。

※おやつは東京で買って来たピエール・エルメのクッキー。ロイヤルミルクティーで。
※夕飯は東京で買って来た維新號の肉まん。肉まんとあんまんとサイパオ(帆立と海老と野沢菜)シーザーサラダと中華スープ。
ぬーたん

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