クリムゾンキング

椿なきシニョーラのクリムゾンキングのネタバレレビュー・内容・結末

椿なきシニョーラ(1953年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

服屋の店員からスカウトされ一気にスター女優になった主人公だけど結婚した旦那は見栄と嫉妬で「こんな映画に妻は出さん!」と勝手に契約ブッチするし気の迷いで付き合った外交官は「そんなの一時の関係だろベイビー」といきなりひよるし演技派になるために学校に行っても全然いい役が来なくてアタシ困っちゃう、結局2流の映画に出ることになるのであった。

アントニオーニの作品はこれが初。

旦那の独りよがりで勝手に契約切られたり脚本選り好みされたりするしようやく女優としての矜持を得ても時すでに遅し、「顔がいいから映画に出られる」という陰口を聞いてしまって映画に対する姿勢も何が何だかわからなくなって、どんどん落ち目になっていくクララが何とも不憫。

演じるルチア・ボゼーの美貌も相まって映画業界の裏で渦巻く作品に対するあれやこれややら役者を取り巻く事情なども見られてとても見応えがあった。