このレビューはネタバレを含みます
誰かに惹かれる時、その人は自分と同じものを持つ人なのか。それとも、違うものを持つ人なのかーー。
主人公・テルコは、好きな人であるマモちゃんに好かれるため、嫌われないために、いつも振り回されている。
人の気持ちなど鼻にもかけない態度のマモちゃん。常にマモちゃんを気遣い、優先させるテルコ。二人の性格は対照的で、関係はあまりに歪だ。
しかし、そう思わせていたのは視聴者へのトリックであり、起承転結の転とも呼べる部分で、マモルの本質が明らかとなる。
それが冒頭で言うところの、人は自分にないものを求めるということであり、それは他人に求めるだけにとどまらず、自分でもそのように振る舞ってしまうことだ。
私はここで、テルコがマモルを断ち切って欲しかった。そんな、実は同族であったマモルとの決別こそ、他人軸で生きるテルコ自身の脱却であり、新たな一歩を踏み出すことに繋がると思うから。
しかし、悲しいことにテルコはマモルへの執着を捨てきれない。そう決着させることの方が、どう考えてもスッキリして分かりやすいのに。
それがこの物語を、より複雑に難しくこんがらかった、なんとも言えない後味を引き摺らせる。
だから、愛がなんだと言うことなのか。